製品情報

気象観測ロガーを使ってコショウ農場で灌漑管理

用途:環境変化
産業:調査
組織:Environmental Engineering Research Program(EERP)

カリフォルニア州San Joaquin川は、昨世紀以来、多きく変化し続けている。この川は以前からサンフランシスコ湾へ流れ込む流域の豊かな農業地帯に飲料水、灌漑用水を供給し、またストックトン港に航海する船のために浚渫されてきた。ただ、川の変化が水質、流域の動植物、魚類、その他生物に影響を与えている。

 

San Joaquin川の状況だけが特別なわけではなく、世界の多くの河川で水質が心配される事態が増えてきている。この問題への取り組みとして、川の状態を正確に評価することが制度化された。

 

政策策定者から信頼できるデータ収集と分析の依頼を受けた科学者の一人は、そのツールとしてバッテリー式データロガーを使用している。

 

“San Joaquin川には自然は何もない”と、フィールドチームリーダでパシフィック大学・環境工学調査プログラム在籍のJeremy Hanlon氏は言う。調査グループはSan Joaquin川とその分岐地点の表層水質に的を絞り作業を行っている。

 

計画のひとつに川に沿った農業用貯水池の観測もある。これらの貯水池は農業排水を溜め不純物を沈殿する役割を果たしている。調査チームは特にこの池が川の水質にどのように影響しているか、またその水を自然サイクルの中に戻した場合それが水処理に役立つのかどうかに関心をもっている。

 

これらを判断するためHanlon氏と彼のチームはOnset社製ホボ水位ロガーを使用している。
この水位ロガーのコストはチームが以前使用していた方法に比べ8分の1で、絶対圧計測方式、強靭で研究グレード精度(フルスケールの0.1%)を持つという特徴がある。ロガーは池の流量を計算するために使用されている。

 

Hanlon氏は数台のホボ水位ロガーを購入し、既存の水位ロガーと両方を側に設置して1ヶ月間同時に計測を行った。記録結果を見た彼は、このロガーが従来品に比べはるかに安価であるにもかかわらず、この新しい解決策がまさに計画に最適であることを知り狂喜した。

 

Hanlon氏によれば信頼できる装置はこのロガーだけではないが、ホボ水位ロガーは使い易く、設置が非常に簡単。以前のロガーは大きくて、取り扱いが面倒で、個別の電源と独自のコンクリート構造物が必要になるという。氏はホボ水位ロガーを設置するためPVCパイプで静止井戸を作りパイプの中にロガーを吊り下げているだけ。ロガーは15分間隔でデータを記録するよう設定し、蓄積されたデータは2~4週間に1回フィールドに行き携帯型データシャトルを使って回収しているという。シャトルは小型防水タイプでPCを使わずロガーからデータを安全確実に回収できるので、ユーザはPCをフィールドに持って行く必要もないし、ロガーを研究室に持ち帰る必要も無い。

 

データを解析するためHanlon氏はOnset社のHOBOware Pro アプリケーションソフトを使用している。ソフトはユーザフレンドなGUI機能を持ち、その他にも圧力-水位変換機能、気圧変動補正機能など多くの便利な特徴がある。Hanlon氏はこの水位ロガーを使うことに非常に満足しており、今後数を増やしたいと考えている。EERPでは水位ロガー以外にもOnset社製のマイクロステーションロガーを使い、風が池の沈殿フィルター能力に影響があるのかどうかを調査するため風向・風速のモニタリングも行っている。またロガーは比較的安価でコンパクトなので、データの信頼性を高めるため追加で設置したり、共同研究者が他のフィールドで使用するのも容易だという。

as_63_1

 

HOBO and Onset are tredemarks of Onset Computer Corporation, Bourne, Massachusetts(USA)

 

製品に関するお問合わせは、お問合せフォームをご利用ください。