製品情報

データロガーを使って芝生管理

用途:造園/芝生管理
産業:公園/競技場
組織:Oriole Park at Camden Yards

ボルチモア・オリオールズのホームスタジアム、カムデン・ヤードのマウンドに1個、ライト側フィールドに1個埋められている。

 

そのことを観衆も選手も知らない。球場の芝生下わずか2インチに埋められているのを知っているのはほんのわずかな関係者だけ。

 

アメリカで最も美しい野球場のひとつであるこの球場に埋められているのは何か?それはオリオールズのシーズンチケットあるいはカル・リプケンが使用したバットやグローブを想像したのならもう一度想像しなおして下さい。

 

答はデータロガー(バッテリーで動くほんの小さな測定器)。オリオールズ球場のグランドキーパはシーズンを通して162試合の土壌温度を測定するために使用している。ロガーは測定したときの日時と温度をセットで長期間記録し、その記録データはPCにダウンロードすることで簡単にグラフ表示や数表表示することができる。

 

“我々はできるだけ広範なフィールド状態をモニターして、保守のメカニズムを記録するためにデータロガーを使用している。長期間の温度データを追跡することで一般的な傾向が分り、土壌の高温化が原因となる芝の病気に対し効果的な対策を講じることができる”とグランドキーパ長のAl Capitos氏は説明する。

 

Capitos氏はオンセット社製HOBO H8データロガーをプラスティックケースに入れ計測インターバル30分で土壌温度を記録している。ロガーは1個をピッチャーマウンドの後ろ、1個をライト側フィールドに埋め、蓄積されたデータは1ヶ月に1回パソコンに回収している。回収したデータは専用ソフトで即時にグラフ化できるので条件の異なる2箇所の地温プロファイルを簡単に作成できる。Capitos氏は更にダブルチェックのために手動で計測した地温データと比較している。“人によっては過剰情報と思うかも知れないが出来るだけ多くの温度データを収集することがフィールドを最良の状態に保つキーポイントになると信じている”と話す。

 

実際オリオール・パークではメヒシバの予防でデータロガーの効果が実証されている。メヒシバの予防には除草剤を噴霧するのが効果的だが土壌温度が少なくとも4日間12.8℃になった場合には噴霧が必要である。Capitos氏によれば、“過去数シーズンに亘りロガーで集めたデータは問題が発生しそうな時期をほとんど正確に予想できるので、噴霧すべき時期を決定するのに非常に有効だ。除草剤は高価なので不必要に噴霧したくない”と語る。

 

データロガーは1999年春に初めて埋められ、以来何のトラブルもなく動作している。Capitos氏はロガーの耐久性に感心しており、いろいろな違ったマイクロクライメットが存在するような球場では特にこのようなデータロガーの技術が有益だと評価している。“一番重要なことは予期しない問題が起こった後で対応するのではなく、事前に問題を予想し積極的にフィールドの管理を行えるようになったことだ“と締めくくった。

 

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HOBO and Onset are tredemarks of Onset Computer Corporation, Bourne, Massachusetts(USA)

 

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