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水位ロガーで塩性沼地と海水面上昇の関連調査

産業:屋外環境調査
組織:ナラガンセット湾 河口リサーチ区
適用:海面上昇の環境への影響調査

ロードアイランド州ナガランセット湾リサーチ区は海面上昇が大きい期間に沼地の植生が後退するという問題調査のため水位データロガーを使用した。
 
ナガランセット湾国立河口リサーチ区(NBNERR)はナガンセット湾の中心部の4つの島にある保護区。面積は約4,400エーカで陸域と海域があり、塩性沼地を含むそのエリアにはアマモベット、岩場潮間ゾーン、やせ地、落葉樹林、湿地が混在する環境となっている。
 
NBNERR の調査チームはナガランセット湾域の環境保護を目的とした環境変動調査を行った。これは科学的知見に基づいた生態系管理手法であり環境変動予測およびナガランセット湾の環境保護に貢献している。
 
直近の調査は塩性沼地の植生と極端な海面上昇が起こった期間の海面レベルの関係について実施された。海面上昇が生態系にストレスを与えることは十分理解されていたが、この地域での調査のほとんどは、最近の急激な海面上昇問題が起こる以前のものであった。
 
調査にあたりNBNERRはロードアイランドにある2か所の塩性沼地で海面上昇モニタリング評価プログラムを組んだ。2つのプログラムで集めたデータから極端な水位上昇が発生した時の場所と時間の関係が書類化された。
 
プログラムの一つは国立河口リサーチ区の塩性沼地2か所で長期変動を調査し、もう一つのプログラムでは40か所の変動調査を1シーズンに限定しておこなった。
 
NBNERRの調査結果はスパチナ・パテンと呼ばれる背の高い塩草原種の後退が起こっており、その大部分がスパチナ・アルタニフロラと呼ばれる背の低い塩草原種に取って代わられつつあることが分かった。
 
“これらの調査は現在起こっている事象を包括的に正しく理解するために観測を通して得た高度や海水レベルの補助的データに支えられている。調査の結果として、塩性沼地における生態系の急激な変化はナガランセット湾の高潮位、すなわち海水面の上昇が強く関係していると結論づけた”とNBNERRの調査官ケネス・ラポーサ博士はいう。
 
10か所以上の塩性沼地の観測プロット含めた調査プログラムにおいてラポーサ博士と調査グループはマサチューセッツに本拠を置くOnset社(http://www.onset.com)製HOBO
水位データロガーを使用した。ロガーは正確な水位および温度データを提供し、海水環境でも使用できる堅牢なデザインとなっている。
 
調査チームでは特に短期間の水位変動を記録するのにそのデータロガーを用いた。この情報は、高度データと共に使い、観測場所に設置した後で沼地の水面とデータロガー両方の高度を決定するのに用いた。調査チームはこれらのデータをリンクさせ、簡単な計算をおこなうことで異なる期間の潮位データを確立した。
 
“データロガーは地盤に打ち込んだPVCパイプに単に固定するだけの作業で直ぐに運用できた。潮位変動が1m程度の場所においては、ロガーがクリークの底部から25cmに一定となるよう取り付けた。データは10分間隔の計測記録でセットし、1カ月に1回の頻度で回収した”とラポーサ博士はいう。
 
ラポーサ博士は5年ほど前にデータロガーを他社製のものからHOBOに変更した。“他社製と比較してHOBOデータロガーはプログラミングや設置という点で遥かにユーザフレンドリー。堅牢でメインテナンスがとても簡単。こういった多くの利点があるにもかかわらずHOBOデータロガーは価格面でも非常に魅力がある。新しいプロジェクトでもHOBOデータロガーを使い続ける予定です”と博士はOnset社製品を高く評価する。

 

HOBO and Onset are tredemarks of Onset Computer Corporation, Bourne, Massachusetts(USA)

 

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